キュンとした小鉢

気がつくと陶芸歴は12年目に突入していました。子供の頃から芸術センスは皆無で、30代になるまではモノ作りとは無縁でした。欠けた茶碗を平気で使っていたし、陶芸を始めるまでは「趣味」と言えるものはなく、四六時中パソコンに向かい、昼夜逆転した生活を送っていました。そんな生活を続けていると、どこかに歪みが出てくるもので、いつも頭の中がギラギラしている感じでした。

初めての作品が焼き上がった時のことは今でもはっきり覚えています。粘土の塊から器が出来ることに感動し、粘土と釉薬の組み合わせで無限に広がる奥深い世界に興味を持ちました。粘土に触れることで体の中から悪いものが抜けていくような感覚になり、とてもリラックスできました。

最初は週に一度、2時間程度の手びねり講座を受講していましたが、陶芸をしている時間が楽しくて仕方なかったので、自分のスケジュールに合わせて通える教室が他にないかと、道場破りのように陶芸教室やサークルをハシゴしました。使っている粘土や釉薬も教室によって違いがあり、ますます面白くなってきました。

今はすっかり落ち着いて、新十津川町のふるさと公園にある「新十津川町文化伝習館」でお世話になっています。以前のように毎週通うことはなくなりましたが、イベント出展が決まった2ヶ月前ぐらいから、テーマを決めて自分を追い込むように取り組んでいます。

キュンとした小鉢を作りました

イベントに出展するときは、自分のスペースが決められます。以前は作品の少なさを大きさでカバーするために大皿などを作っていましたが、今は小さい器を好むようになりました。お料理が好きな人ならば、色々な器を使い分けると思いますが、小さめの器を組み合わせて、色んな種類のおかずを盛り付けると見栄えも良くなります。

器の縁がキュンとなっているものは意外と使いやすいと思います。一箇所だけキュンとなっているのは「片口」と呼ばれますが、四方向にキュンとさせたものは何て呼ぶのかな?「四口」かな?

水分を切るときにも便利だし、ドレッシングやソースを注ぐのにもいいと思います。デザートならばスプーンを引っ掛けておくのにもいいです。デザイン性も高くなり、機能面でもいいと思っています。

ロクロ挽き&口をキュンとする

イベントに向けて何かを作ろうと思ったときは、一気にまとまった数を挽きます。口の大きさや高さをきちんと測っているわけではないので、実際にはかなりバラつきがありますが、挽いたものをどんどん並べていくので、目算でだいたい揃えています。これだけあったら、どれか同じのあるでしょーというザックリとしたスタンスでやっています。

挽いた直後の状態だと口元はかなり柔らかいので、少し時間が経った頃に口をキュンとやっていきますが、私の場合、道具は使わず指だけです。左手の人差し指と親指でVの字を作って、器の外側に当てておき、右手の人差し指で器の内側から、Vの字に向かってスライドさせていきます。

粘土は教室で使う基本の信楽並土で、透明の釉薬を掛けると生成り色っぽく焼き上がります。写真を見る限りでは、全部で27個ありました。(3月4日)

削り

適度に乾燥させたら、高台を削ります。発泡スチロールに入れたままだと、1週間経ってもほとんど状態が変わらないので、前日に教室に電話を入れて、蓋を開けてもらい、粘土の状態を調整してもらうようにしています。

写真を見る限りでは、27個→23個に減っているので、4個は削りに失敗してますね。この段階ならば、粘土に再生できるので、ダメだと思うものは壊してしまいます。(3月11日)

絵付けと施釉

削り終わった作品が完全に乾燥してから、700℃ほどで素焼きをします。素焼きは作品を重ねて焼けるので、他の生徒さんの作品がたっぷりたまってからになりますが、夏場は陶芸体験が増えるので、かなりペースアップします。(4月8日)

下絵の具で絵付けをするときは、素焼き後に行います。黒い絵の具で3本ラインを入れました。

色の濃い釉薬を使うとせっかく書いた絵が消えてしまうので、基本的には色の薄い釉薬を掛けることになります。「透明」を全体に掛けてから、口の部分だけ「新織部」を掛けています。

こちらは太めの筆で、サッと書いたものに「透明」を掛けました。

窯出し

絵の具のかすれた感じもそのまま出ています。口の部分に掛けた織部がキレイに発色していて、いい感じに焼き上がったと思います。評判も良くて、サッポロモノヴィレッジで完売しました。(5月19日)

筆でサッとやったものもイメージ通り焼き上がりました。呉須を使った方が印象が柔らかくなるので良かったかもしれません。内側に少し装飾をすればよかったかも。

黒い絵の具で内側にラインを入れて「白鳳マット」を掛けたものは、ラインの発色がイマイチでした。以前、同じ組み合わせで、いい感じで焼き上がっていたのに、最近は窯との相性が悪いように思います。同じ条件で焼いたつもりでも、前と同じ色には出せないことがあります。

初めてのキュン

ちなみに初めてキュンとやったのは、2008年9月でした。ロクロを始めて2年目で、やっと自力で作品を作れるようになった頃のものです。お茶碗ほどのサイズですが、とても使い勝手が良くて今でも現役です。